【2026年版】放射線治療専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、放射線治療を専門にしようと考えている研修医と専攻医のために、放射線治療専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本専門医機構の一次資料を読み解き、整理しています。

以下の数値は、断りのない限り、日本専門医機構がまとめた「日本専門医制度概報 令和7年度版」によります。放射線治療専門医は、申請時に初期臨床研修を含めて7年以上の臨床経験が必要です。資料に記された内訳は、初期臨床研修2年、放射線科専門医の取得まで3年、その後の研修2年です。基本領域とサブスペシャルティ領域の研修を重ねる連動研修については、3年以上の修了または仮修了も求められます。

放射線科の資格は、第一段階が基本領域の放射線科専門医、第二段階が放射線治療専門医と放射線診断専門医という二段階です。放射線治療専門医は日本放射線腫瘍学会と日本医学放射線学会の共同認定です。

放射線治療専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:申請時に、初期臨床研修を含めて7年以上の臨床経験が必要です。資料に記された内訳は、初期臨床研修2年、放射線科専門医の取得に3年、その後2年の研修です
  • 会員歴:申請時に、日本医学放射線学会の正会員歴が5年以上、日本放射線腫瘍学会の正会員歴が2年以上必要です
  • 更新の時期:放射線科専門医の初回の更新だけを後ろ倒しにして、放射線治療専門医の取得から5年経った時点で両方を同時に更新します。ただし更新の要件を定めた更新基準の案は、日本専門医機構に差し戻された状態です

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執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

取得までの年数は申請時点で7年以上

資料は放射線治療専門医の到達目標を、放射線科専門医の資格を取得したうえで放射線治療領域にさらに研鑽を積んだ医師だとしています。ただし、申請資格の7項目に放射線科専門医であることは入っていません。

申請資格には、申請時において初期臨床研修期間を含め7年以上の臨床経験を有すること、という条件があります。臨床経験の起算日は資料に載っていません。

7年の内訳は、初期臨床研修2年、放射線科専門医の取得まで3年、その後の研修2年です。資料の更新関係事項の欄では、放射線科専門医資格を取得後、2年間の研修を経て放射線治療専門医試験を受験するとされています。経緯の欄にも、放射線科専門医の取得に3年、その後2年間の研修を経て放射線診断専門医か放射線治療専門医のいずれかの受験資格が与えられるとあります。

申請資格には、3年以上の連動研修の修了または仮修了という項目もあります。連動研修は基本領域の専門研修と重ねて進める仕組みなので、この3年は別枠ではありません。連動研修の3年と放射線科専門医取得後の2年がどう重なるのか、いつから始められるのかは資料に書かれていません。

会員歴も年数に関わります。日本医学放射線学会の正会員歴が5年以上、日本放射線腫瘍学会の正会員歴が2年以上必要です。基本領域の放射線科専門医は5年以上の臨床経験と3年以上の日本医学放射線学会正会員歴なので、臨床経験で2年、会員歴で2年の差があります。会員歴の起算も資料にありません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

受験に必要な条件と、代わりの経路

申請資格は7項目あり、第1項から第6項が満たすべき条件、第7項は第6項を満たせない場合の代わりの経路です。

  1. 日本医学放射線学会ならびに日本放射線腫瘍学会の会員であること
  2. 日本国の医師免許を有すること
  3. 医師法(昭和23年法律201号)第3条および第4条の規定に該当しないこと
  4. 申請時において、初期臨床研修期間を含め7年以上の臨床経験を有すること
  5. 申請時において、5年以上の日本医学放射線学会正会員であり、かつ2年以上の日本放射線腫瘍学会正会員であること
  6. 所属する研修カリキュラムの研修管理委員会により、3年以上の連動研修修了、または仮修了と判定されていること
  7. 6の要件を満たさない場合でも、両学会認定の研修を2年以上行い、別に定める要件を満たし、統括責任者が機構の研修プログラムの内容と同等の研修を修了したと判定した場合は、受験を認める

7項目には、放射線科専門医の資格を持っていることが直接には書かれていません。前提になることは、到達目標の欄に「放射線科専門医資格を取得した上で」とあることから分かります。申請の書類でこれをどう確かめるのかは資料に載っていません。第1項の会員と第5項の正会員の違い、第3項の医師法第3条と第4条の中身、第6項の「仮修了」の意味も説明されていません。

第7項の統括責任者が誰を指すかは放射線治療専門医の欄になく、放射線科専門医の欄で指導管理責任者が専門研修プログラム統括責任者にあたると記されているだけです。「別に定める要件」の中身も資料にないため、学会の規程で確認する必要があります。この経路の研修は2年以上で、第6項の連動研修3年以上より短いのですが、中身の違いも分かりません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

認定試験は2日間で筆記と口頭

放射線治療専門医試験は、2025年度に日本専門医機構の認定試験になりました。試験は2日間です。

  • 1日目:多肢選択式の筆記試験、100問
  • 2日目:口頭試験

試験内容は「放射線科専門医研修カリキュラムガイドライン」に準拠し、放射線科の診療業務全般に必要な基礎的事項に加えて、治療領域についてさらに高水準の専門的知識と技術を有すると認められるかを試します。受験資格を得るための研修も同じガイドラインに準拠し、両学会が認定した研修指導者のもとで行います。

出願の時点では、学会による一次審査も機構による二次審査も終わっていません。審査の項目は資料に書かれていません。審査が終わっていなくても出願は受け付けられますが、その後の審査で研修修了が認められなかった場合には受験できず、受験料は返還すると資料に明記されています。

試験の合格ライン、年間の実施回数、不合格だった場合の再受験の扱いは、いずれも資料に載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

認定試験の合格率は年度で振れている

資料は試験の結果を3年分載せています。

  • 令和4年度(2022年度):受験者66人、合格者61人、合格率92.4%
  • 令和5年度(2023年度):受験者61人、合格者53人、合格率86.9%
  • 令和6年度(2024年度):受験者47人、合格者45人、合格率95.7%

機構の認定試験になったのは2025年度なので、この3年分はいずれも移行前の試験です。形式が前後で変わったかどうかは資料に載っていません。

令和6年度の受験者は47人のため、1人の合否で合格率は約2.1ポイント動きます。受験者数も令和4年度の66人から令和6年度の47人へ2年間で19人減っています。合格率が振れた理由も、受験者が減った理由も資料に載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

研修施設は3区分・指導医は学会認定の指導者に限られる

研修施設は3区分で、「2025(令和7)年8月末現在」の認定施設数は次のとおりです。

  • 総合修練機関:207施設
  • 修練機関:288施設
  • 特殊修練施設:15施設

認定施設は計510施設です。特殊修練機関は高度の限定された放射線診療を行っている施設を認定するもので、資料は認定基準では「特殊修練機関」、集計では「特殊修練施設」と書いています。総合修練機関と修練機関の違いは載っていません。

日本専門医機構認定の放射線治療専門医を目指す専門研修カリキュラムプログラムを作成し、研修を統括できるのは総合修練機関だけで、そのうち109施設が日本専門医機構の認定を受けています。残りの施設が認定を受けていない理由は資料に載っていません。施設名は学会の研修施設一覧で確認することになります。

研修指導者は、研修教育責任者としての指導管理責任者、その不在または実務執行不能のときに代行する副指導管理責任者、直接指導する研修指導医の3者です。指導管理責任者は、研修を実施する施設へのアドバイス、半年に1回の年次別評価を行い、研修プログラム管理委員会を開いて研修状況の確認や研修修了判定を行います。研修指導医は研修指導を行い、研修実績を評価します。これらの指導医はすべて、両学会が認定する「学会認定専門研修指導者」でなければなりません。どうすればなれるのか、年次別評価の項目や修了判定の基準は資料に載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

更新は放射線科専門医と同時に行う

放射線治療専門医の資格認定は5年ごとに更新します。放射線科専門医も5年ごとの更新が必要で、そのままだと先に更新の時期が来ます。資料は、この初回の更新のみを後ろ倒しとし、放射線治療専門医を取得後5年経過した時期に両方の資格更新を同時に行い、以後も5年ごとに同時に更新するとしています。

更新の必須要件として資料から読み取れるのは、講習会の受講です。医療倫理および安全管理と放射線防護、ならびに医療の質(治療)に関する講習会の受講を必須要件としている、と医療倫理・安全管理の欄にあります。何種類あって何回受ければよいのかは分かりません。

ただし、更新の基準そのものは確定していません。特記事項は、学会が機構の整備指針(2022年2月18日)にもとづいて更新の要件を定めた更新基準の案を作成し、機構に提出したものの、整備指針が近々改訂されるとのことで差し戻された状態である、としています。5年ごとという周期と同時更新の扱いは決まっている一方で、その5年間に何をどれだけ満たせばよいかは読み取れません。更新の年が近づいたら、その時点の最新の基準を学会の案内で確認してください。更新の詳細は放射線治療専門医規程に定めるとありますが、規程の中身は資料に載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

専門医数は1,457人

放射線治療専門医は令和7年8月現在で1,457人です。内訳は、学会認定専門医1,412人、日本専門医機構認定専門医45人です。

一覧では多くのサブスペシャルティ領域で機構認定専門医数の列が空欄ですが、放射線治療には45人が入っています。機構の認定試験になったのは2025年度なので、令和7年8月時点でこの45人がどの経路で機構認定を受けたのかは読み取れません。学会認定から機構認定への手続きや条件も資料に載っていません。

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出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

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まとめ|放射線治療専門医を目指すなら先に決めること

  • 順序:放射線科専門医を取ったうえで研鑽を積む第二段階の資格だと、資料の到達目標にあります。ただし申請資格の7項目に、放射線科専門医であることは入っていません
  • 年数:申請時に、初期臨床研修を含めて7年以上の臨床経験が要ります。内訳は初期臨床研修2年、放射線科専門医までの3年、その後の2年です
  • 会員歴:日本医学放射線学会が5年以上、日本放射線腫瘍学会が2年以上です。基本領域の放射線科専門医は日本医学放射線学会が3年以上なので、2年長くなります
  • 研修先:機構認定を目指すプログラムを統括できるのは総合修練機関だけで、そのうち機構の認定を受けているのは109施設です
  • 試験:1日目に筆記試験100問、2日目に口頭試験です。直近3年の合格率は92.4%、86.9%、95.7%ですが、いずれも機構の認定試験になる前の試験です。受験者は令和4年度66人、令和6年度47人と少なく、数人の合否で振れます
  • 更新:5年ごとで、放射線科専門医と同時に更新します。ただし更新基準の案は差し戻された状態なので、更新の年が近い人は学会の案内で最新の基準を確認してください

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

参考文献

  • 日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」. https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/gaiho_2025.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。