【2026年版】専門医は何年で取れる?診療科別に取得年数の目安と更新の条件をまとめてみた

臨床研修をしていて進路に悩む医師にとって、どの診療科が専門医を取るのに何年かかり、取ったあと何をすれば更新できるのかは、進路を考えるうえで押さえておきたい情報です。そこでこの記事では、日本専門医機構と各学会が公表している一次資料を噛み砕いて、基本領域19科の専門医取得の条件と、取得後の更新のしかたをまとめました。細かい要件は各科の記事に分けてあるので、気になる科はそちらを読んでください。数値は2025年度時点で、年度で変わるものは出典に版と日付を添えています。

執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

専門医取得までの流れの全体像

医師免許を取ってから専門医になるまでの流れは、どの科もおおむね同じ形です。最初に初期臨床研修を2年やり、そのあと各科の専門研修に入ります。専門研修の年数が科によって違い、ここで取得までの年数に差がつきます。研修を終えると試験があり、受かると専門医に認定されます。

取得までの年数を大きく分けると、初期研修終了後の専門医取得の最短年数は、3年・4年・5年に分けられます。

  • 最短3年 内科・小児科・外科・産婦人科・放射線科・病理・臨床検査・救急科・リハビリテーション科・総合診療・精神科
  • 最短4年 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・脳神経外科・麻酔科・形成外科・整形外科(単位制・約3年9か月)
  • 最短5年 皮膚科

専門医の更新条件は5年ごと・更新条件である「単位」とは?

専門医は、どの科も共通で5年ごとに更新します。更新の条件は、その5年間で合計50単位以上を取ることです。

単位とは、更新のためにためるポイントのことです。講習の受講や経験した症例数、学会発表など、日々の医師の活動に応じてたまります。

この50単位は、1か所からまとめて取るのではありません。診療実績・共通講習・領域講習・学術業績という4つの区分それぞれに取る単位が決まっていて、区分をまたいで積み上げ、合計を50単位以上にします。内訳は次のとおりです。

  • 診療実績 担当した症例や読影の件数など、実際に働いた記録で5〜10単位。
  • 共通講習 医療安全や感染対策、医療倫理などの講習で8〜10単位。
  • 領域講習 各科の学術的な講習で20単位以上。
  • 学術業績など 学会発表や論文などで0〜10単位。

領域講習の下限は科ごとに調整されますが、合計50単位という水準は共通です。例外は精神科で、精神科は50単位ではなく40単位に設定されています。近年は整形外科(2026年度から)やリハビリテーション科と臨床検査(2027年度から)のように、更新時にeラーニングやeテストを入れる科が増えています。更新の実務は年度ごとに動くので、最新の更新基準を確認してください。

診療科別に見る専門医の取得年数と更新の要点

各科の要点だけ短くまとめます。取得までの年数は初期研修修了後の専門研修の長さです。研修中に何を積むか、更新で何を続けるかの詳細は、各科の記事に分けてあります。

内科 取得は最短3年。研修中はJ-OSLERという記録システムで56疾患群160症例と病歴要約29編を積みます。症例を幅広く経験する密度が高い科です。

皮膚科 取得は最短5年で、専門研修が基本領域のなかで最も長い科です。研修中に手術症例レポート10例を出します。(詳しい記事を公開しています)

形成外科 取得は最短4年。手術300症例を積みます。傷ややけどのあとの再建、腫瘍を切除したあとの欠損、先天異常などを扱う科です。

麻酔科 取得は最短4年。満4年の専門研修で麻酔科管理症例600例と、小児や心臓血管などの内訳をこなします。

眼科 取得は最短4年。専門研修4年で到達目標100項目を満たし、修了の半年後に試験があります。

外科 取得は最短3年。手術総数350例(うち術者120例)を積み、NCDという全国データベースへの登録が要件です。

小児科・産婦人科 どちらも取得は最短3年。産婦人科は分娩150例と帝王切開執刀30例を積みます。

精神科 取得は最短3年。更新は他科と違い合計40単位で、更新負担がやや軽い科です。

放射線科 取得は最短3年。手術症例の要件がなく、画像診断や核医学など全分野を研修します。専門医取得後に、さらに2年で放射線診断や放射線治療のサブスペシャルティに分かれます。

整形外科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・脳神経外科 整形外科は単位制で約3年9か月(45単位)、他の3科は最短4年です。脳神経外科は筆記250題と口頭試問があります。

病理・臨床検査・救急科・リハビリテーション科・総合診療 いずれも取得は最短3年です。病理は剖検24体(2023年度から。旧30体)や組織診5000件など、積む症例数が多い科です。総合診療は機構が直接運営し、更新試験はオープンブック形式です。

【一覧表】診療科別の専門医取得年数・更新条件

各科の年数と更新要件を一覧にしました。取得までの年数は初期研修修了後の専門研修の長さです。細かい根拠は各科の記事にあります。

診療科取得までの年数(初期研修修了後)更新周期更新の単位
内科3年5年50単位
小児科3年5年50単位
皮膚科5年5年50単位
精神科3年5年40単位
外科3年5年50単位(NCD100例+研修30単位)
整形外科約4年(単位制)5年50単位
産婦人科3年5年50単位
眼科4年5年50単位
耳鼻咽喉科4年5年50単位
泌尿器科4年5年50単位
脳神経外科4年5年50単位
放射線科3年5年50単位
麻酔科4年5年50単位
病理3年5年50単位
臨床検査3年5年50単位
救急科3年5年50単位
形成外科4年5年50単位
リハビリテーション科3年5年50単位
総合診療3年5年未確認

参考文献

  • 日本専門医機構「整備指針補足説明」(2021年6月25日改訂). https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2021/08/epexegesis_2021_06.pdf
  • 日本専門医機構「専門医制度概報 令和7年度版」. https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/gaiho_2025.pdf

各科の受験要件と更新基準は、それぞれの学会が公表する一次資料を各科の記事に明記しています。

この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。