【2026年版】整形外科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、これから整形外科専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、整形外科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本整形外科学会と日本専門医機構の一次資料を読み解き、整理しています。

整形外科専門医は、初期臨床研修を修了したあと整形外科の専門研修に進み、そこで45単位を修得して取得します。単位とは、外来や手術、救急、地域医療といった経験を積むごとにたまるポイントで、日数ではなく経験の種類をそろえたかを確かめる仕組みです。この45単位を積むのに標準で約3年9か月かかり、初期研修修了後で数えると取得までは約4年です。

整形外科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:整形外科は年数ではなく単位で受験の可否を決める単位制をとる。45単位を積むのに標準で約3年9か月、初期研修修了後で数えると約4年になる
  • 更新の条件:5年ごとに合計50単位。診療実績・共通講習・領域講習・学術業績の4区分をまたいで集め、診療実績はJOANRという全国データベースに症例を登録する
  • 2026年度からの変更:更新にeラーニングとeテストが加わり、eテストは全問正解が合格の条件になる

本記事では、整形外科専門医の取得までの流れ、研修で積む手術と地域医療・学術業績、受験資格、更新・維持の条件、2026年度から入るeテストを順に整理します。

→ 関連記事:【2026年版】専門医は何年で取れる?診療科別に取得年数の目安と更新の条件をまとめてみた

執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

整形外科専門医の取得までの流れ(約4年・単位制・45単位)

整形外科専門医になるまでの流れは、初期臨床研修を2年終えたあと整形外科の専門研修に進み、そこで45単位を修得して受験資格に届く、という順です。整形外科は、日数をもとに何年勤めたかを数えるのではなく、必要な経験の種類をそろえたかを単位で確かめる方式をとります。これは整形外科の特徴的な形式となっています。

単位制で約4年
整形外科は単位制、45単位を約3年9か月で積み修了後約4年で取得
  • 初期研修2年:どの科にも共通で必要。整形外科ならではの研修はそのあとになる
  • 45単位の修得:外来や手術、救急、地域医療といった経験を積むごとに単位がたまる。この45単位を積むのに標準で約3年9か月かかる
  • 取得までの年数:初期研修修了後で数えると約4年になる

年数ではなく単位で受験の可否を判断する点が、整形外科の取得方式の特徴です。標準の約3年9か月は、この45単位を積むのにかかる目安の期間です。

出典:日本整形外科学会「専門研修プログラム整備基準 2026年4月17日」

研修で積む手術と地域医療・学術業績

単位を積むのと並行して、研修中には手術や地域医療の経験、学術の業績もそろえます。

  • 手術160例以上:整形外科として手術160例以上を経験し、そのうち80例以上は術者として担当する。術者とは、自分が執刀医として手術を担当する立場を指す
  • 領域の偏りを避ける:整形外科は骨折の手術から人工関節、脊椎、関節鏡までと扱う手術の幅が広く、160例が特定の領域に偏らないよう領域ごとに経験を積む
  • 地域医療研修:3か月以上必要。大きな病院だけでなく、地域の医療機関で整形外科の診療にあたる経験を積む
  • 学術業績:学会発表または論文が1つ以上必要。臨床の経験だけでなく、症例を学術的にまとめて外に出す経験も要件に入る

単位、手術症例数、地域医療、学術業績の4つがそろって、はじめて受験資格に届きます。

出典:日本整形外科学会「専門研修プログラム整備基準 2026年4月17日」

受験資格と認定試験

整形外科専門医の受験資格は、45単位の修得と、手術160例以上、地域医療研修3か月以上、学会発表または論文1つ以上をそろえた人に与えられます。整形外科は、研修の年数ではなく、この単位と症例がそろったかどうかで受験の可否を判断する単位制をとっています。要件を満たしたうえで認定試験に合格すると、整形外科専門医に認定されます。試験の出題数など細かい形式は、受験する年度の実施要項で確認してください。

出典:日本整形外科学会「専門研修プログラム整備基準 2026年4月17日」

整形外科専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位・JOANR)

整形外科専門医は、取得して終わりではなく、5年ごとに更新します。更新の条件は、その5年間で合計50単位以上を取ることです。単位は、講習の受講や症例の経験、学会発表などに応じてたまります。この50単位は、次の4つの区分をまたいで集めます。

更新は5年ごと50単位
5年ごとに4区分で計50単位、診療実績はJOANRへ症例登録する
  • 診療実績:5〜10単位。整形外科医として実際に診療した記録で、5年で症例100例をJOANRなどの症例一覧へ登録する。JOANRとは、整形外科の症例を集める全国規模の登録データベースで、日本整形外科学会が運営している
  • 共通講習:3〜10単位。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通する講習。このうち3〜8単位は必修講習にあてる
  • 整形外科領域講習:20単位以上。整形外科の学術集会や研修会など、専門分野の講習で、更新単位の中心になる
  • 学術業績など:0〜10単位。学会発表や論文など

診療実績をJOANRという専用データベースへ登録する点は、外科のNCDと同じ考え方です。NCDとは、外科系の手術症例を全国で集める登録データベースを指します。自己申告に頼らず、登録した症例で診療の実態を示します。

出典:日本専門医機構「整形外科領域 専門医更新基準 2025年1月17日」

2026年度から更新にeテストが入る

整形外科の更新でこれから大きく変わるのが、eラーニングとeテストの導入です。2026年度の更新から、指定されたeラーニングを受講したうえで、eテストに合格することが更新の条件に加わります。eラーニングはオンラインの講義動画などで学ぶ形式、eテストはその内容をオンラインで確かめる試験です。

2026年度からeテスト
2026年度の更新からeラーニングとeテストが加わり全問正解が条件

このeテストは、全問正解が合格の条件です。何割かの正答では足りず、すべての設問に正解して初めて要件を満たします。ただし何度か受け直せる運用なのか、出題数や再受験の扱いがどうなるのかといった細部は、学会と機構の案内で年度ごとに示されるようです。更新の年が近い人は、その時点の最新の案内で受験方法を確認してください。単位を集めるだけだった更新に、知識を問い直す試験が加わります。

出典:日本専門医機構「整形外科領域 専門医更新基準 2025年1月17日」

参考文献

  • 日本整形外科学会「専門研修プログラム整備基準」(2026年4月17日). https://www.joa.or.jp/edu/files/program.pdf
  • 日本専門医機構「整形外科領域 専門医更新基準」(2025年1月17日). https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2025/05/16-20150117.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。