【2026年版】集中治療科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、集中治療を専門にしようと考えている専攻医と研修医のために、集中治療科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本専門医機構と厚生労働省の一次資料を読み解き、整理しています。

以下の数値は、断りのない限り、日本専門医機構がまとめた「日本専門医制度概報 令和7年度版」によります。取得までの年数として資料が示しているのは、カリキュラム制研修が最短2年、最長5年という1点だけです。カリキュラム制研修とは、決められた経験項目を満たしたことをもって修了と判定する研修の形式です。申請の時点で基本領域の専門医資格が要りますが、どの基本領域を指定しているかが資料に列挙されていないため、卒後何年で申請できるかは計算できません。

集中治療科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 年数:資料が載せているのは、集中治療科の研修が最短2年、最長5年という点までです。入口の基本領域が列挙されていないため、卒後何年になるかは資料から計算できません
  • 研修で積む実績:集中治療科専攻医として合計80例以上を経験します。そのうち20例は、自分が中心となって診た症例として症例レポートを作成し、評価を受けます。この20例が80例の内数かどうかは資料に明示がなく、本記事は内数と読んでいます
  • 更新:5年毎に計50単位です。単位とは、講習会の受講や診療実績に応じて与えられるポイントです。資料の更新関係事項の欄はこの一文だけで、単位の内訳も、学会認定と機構認定のどちらの専門医に適用されるのかも書かれていません

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執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

集中治療科専門医の申請資格と取得までの年数

資料が専門医申請資格の欄に挙げているのは2点です。

  • 指定する日本専門医機構の基本領域の専門医資格を有すること
  • 本専門領域のカリキュラム制研修(最短2年、最長5年)を修了していること

申請の時点で基本領域の専門医であることが条件なので、資格を得る順番は基本領域が先になります。ただし、どの基本領域が指定されているのか、入口が1つなのか複数なのかは資料に書かれていないため、自分の進む基本領域から申請できるかどうかは判断できません。年数として書かれているのはカリキュラム制研修の最短2年、最長5年だけです。研修をいつから始められるのかも書かれておらず、基本領域の専門医を取ったあとに限られるのか、基本領域の研修中から始められるのかで申請に届く時期が変わります。

厚生労働省の「サブスペシャルティ認定領域一覧」は31領域を連動研修、通常研修、補完研修の3つの研修方式に分けており、集中治療科は補完研修に分類されています。連動研修とは、基本領域の専門研修とサブスペシャルティ領域の研修を重ねて進める仕組みです。補完研修と通常研修の定義は、領域一覧にも資料にもありません。この分類から分かるのは、集中治療科が連動研修に数えられていないという点だけです。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」、厚生労働省 医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会「サブスペシャルティ認定領域一覧」2025年12月19日現在

研修で求められる症例と症例レポート

資料は、集中治療医としての診療能力、知識・技能、診療態度を集中治療コアコンピテンシーと呼び、その修練のために『集中治療科専門研修カリキュラム』に挙げる領域・項目の経験を要すると記しています。

求められる症例は次のとおりです。

  • 集中治療科専攻医として、合計80例以上。必須は25項目60例以上、選択は19項目のうち20例以上。ここでいう項目が疾患を指すのか手技を指すのかは資料に書かれていません
  • この80例以上を経験することで、集中治療に求められる経験項目(必須項目、選択項目)を修了できる
  • 集中治療担当医として、20例は症例レポートを作成して評価を受ける。集中治療担当医とは、ICU症例に対し中心となって診療を行なった専攻医のことである

症例レポートについて、資料の書き方は「20例は、症例レポートを作成して評価を受ける」なので、80例の中の20例と読めます。本記事もこの読み方をとりますが、明示はありません。選択項目の20例と症例レポートの20例が同じ症例を指すのかも読み取れません。

医療倫理は専門医申請において実績の提出が必要と書かれていますが、何をもって実績とするかは示されていません。安全管理は研修施設の申請項目で確認しているとあり、専攻医が個別に提出する項目としては挙げられていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

認定試験は書類審査と100問の筆記試験

資料が試験内容の欄に挙げているのは2つです。

  • 書類審査
  • 筆記試験:MCQ、全100問

MCQとは、示された選択肢から答えを選ぶ多肢選択式の出題形式です。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

認定試験の合格率は8割台

資料が載せているのは3年度分です。

  • 令和4年度(2022年度):受験者287人、合格者252人、資料の掲載値87.8%
  • 令和5年度(2023年度):受験者300人、合格者250人、資料の掲載値83.3%
  • 令和6年度(2024年度):受験者311人、合格者268人、資料の掲載値86.1%

3年度を合計すると受験者898人、合格者770人で、3年を通した合格率は85.7%です。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

集中治療科専門医の更新・維持の条件

資料の更新関係事項の欄は、更新は5年毎に行われ、日本専門医機構の定める診療実績、講習会受講など計50単位を必須とすると書いています。

学会認定と機構認定のどちらの専門医にこの条件が適用されるのか、50単位が5年分を指すのかは示されていません。何をすると何単位になるかの内訳も資料には載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

専門医数と研修施設

集中治療科専門医は令和7年8月現在で2,997人で、資料の一覧表ではこの数が学会認定専門医数の列に入っています。機構認定専門医数の列は「――」で、この記号が何を意味するかは説明されていません。

日本集中治療医学会の会員数は専門医数と同じ令和7年8月現在で12,365人、内訳は医師8,570人と医師以外3,795人です。

研修施設は専門研修施設356、研修協力施設49の計405です。この2つがそれぞれどういう施設で、要件がどう違うのかは書かれていません。資料は、研修施設では教育の中心となる専門医が専従して指導にあたっていると記していますが、ここでいう研修施設が専門研修施設356だけを指すのか、405施設すべてを指すのかは示されていません。

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出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

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まとめ|集中治療科専門医を目指すなら先に確かめること

  • 申請資格と年数:指定する基本領域の専門医資格と、カリキュラム制研修(最短2年、最長5年)の修了の2点です。どの基本領域が指定されているかが列挙されていないため、卒後何年になるかは資料から計算できません
  • 研修で積むもの:合計80例以上で、必須25項目60例以上と選択19項目のうち20例以上です。そのうち20例は、自分が中心となって診た症例として症例レポートを作成し、評価を受けます。この20例が80例の内数かどうかは資料に明示がありません
  • 試験:書類審査と、MCQ全100問の筆記試験です
  • 合格率:掲載値は87.8%、83.3%、86.1%で、3年とも8割台です。3年度を合わせた合格率は85.7%です
  • 更新:5年毎に、日本専門医機構の定める診療実績や講習会受講など計50単位です。学会認定と機構認定のどちらの専門医にこの条件が適用されるのかも、内訳も、50単位が5年分を指すのかも資料に載っていません
  • 規模:学会認定専門医数は令和7年8月現在で2,997人、学会の会員も同じ時点で12,365人です。研修施設は専門研修施設356と研修協力施設49の計405です

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

参考文献

  • 日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」. https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/gaiho_2025.pdf
  • 厚生労働省 医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会「サブスペシャルティ認定領域一覧」2025年12月19日現在. https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001675411.pdf
  • 日本集中治療医学会. https://www.jsicm.org
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。