本記事では、医学部に在籍する筆者が、これから泌尿器科専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、泌尿器科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本専門医機構と日本泌尿器科学会の一次資料を読み解き、整理しています。
泌尿器科専門医は、初期臨床研修を修了したあと、泌尿器科の専門研修を4年受けて取得します。初期研修修了後で数えて最短4年、医師免許の取得からは最短6年です。
泌尿器科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。
- 取得までの年数:初期研修修了後に専門研修を4年で、最短4年。研修中に領域別の手術を術者として50例以上積む
- 受験と認定:MCQ100問の筆記と口答試問の二段構えで、知識と臨床の判断の両方を確かめる
- 更新の条件:5年ごとに合計50単位。単位に加えて更新テストの合格が必要で、4回目の更新からは診療実績が免除されて40単位に下がる
本記事では、泌尿器科専門医の取得までの流れ、術者50例と認定試験、更新・維持の条件、更新テストと4回目からの負担軽減を順に整理します。
→ 関連記事:【2026年版】専門医は何年で取れる?診療科別に取得年数の目安と更新の条件をまとめてみた
泌尿器科専門医の取得までの流れ(最短4年・術者50例)
初期臨床研修を修了したあと、泌尿器科の専門研修を4年受けて取得します。取得までは初期研修修了後で最短4年です。初期臨床研修の2年は、どの科にも共通して別途必要になります。

研修先の回り方にも決まりがあります。1つの病院に留まらず、規模の違う施設を回りながら泌尿器の疾患を経験します。
- 研修先:中心となる基幹施設と、それに連携する施設を回る。基幹施設は、学会の基準を満たした指導体制と症例数のそろった中心的な病院
- 手術:領域別の手術を術者として50例以上。術者とは手術の主体のことで、第1助手や見学とは別に数える。腎臓や膀胱、前立腺といった各領域にまたがって、自分で執刀した50例を積み上げる
- 在籍期間:基幹施設と連携施設それぞれの最低在籍期間の月数は、参照した概報の本文では確認できませんでした
基幹施設と連携施設それぞれの最低在籍月数は、資料の本文に明示がないため、本記事では断定していません。
出典:日本専門医機構「専門医制度概報 2025」
泌尿器科専門医の受験と認定試験(筆記100問と口答試問)
研修を終えると認定試験を受けます。試験は二段構えで、筆記で知識を、口答で臨床の判断を確かめます。
- 筆記:MCQと呼ぶ多肢選択式で100問に答える。MCQとは、示された選択肢のなかから正答を選ぶ形式のこと
- 口答試問:試験官の口頭の問いに、その場で答える
出典:日本専門医機構「専門医制度概報 2025」
泌尿器科専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位)
専門医は5年ごとに更新します。泌尿器科の更新で必要なのは、5年間で合計50単位です。

単位とは、診療実績や講習を記録するごとにたまるポイントのようなもので、5年間で合計が基準に届けば更新できます。診療実績の数え方に、泌尿器科ならではのルールがあります。
- 診療実績:10単位。泌尿器科の診療実績を、10件で1単位として数える。10単位ぶんなので、100件が目安になる
- 共通講習:3単位以上。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通で求められる講習
- 泌尿器科領域講習ほか:残りを、泌尿器科の学術集会や研修会などで満たす
泌尿器科の更新には、単位を集めるだけでは足りない条件があります。更新テストに合格する必要があります。集めた単位が要件を満たしていても、このテストを通らなければ更新できません。単位が診療と学習の量をみる指標だとすれば、更新テストは知識が保たれているかを直接確かめる仕組みです。出題の形式や合格の基準は、資料の本文に明示がないため断定を避けます。更新の年が近づいたら、学会の更新手続きのページで確認してください。
出典:日本泌尿器科学会「専門医更新手続き」
泌尿器科ならではの負担軽減(4回目の更新から40単位)
泌尿器科は、長く続けた専門医の負担を軽くする仕組みを持っています。4回目の更新から診療実績を免除でき、必要な単位が50から40に下がります。長く続けて診療の量が減る時期に、診療実績の記録を求め続けると更新が難しくなるため、この段階からは講習を中心に40単位で更新を続けられます。

専門研修が4年で産婦人科の3年より1年長く、取得時に術者50例をそろえる点とあわせて、泌尿器科は取得と維持の両方で手術と診療の実績を重く見ます。なお、更新テストの出題形式や合格ライン、領域講習の区分の細目は、資料の本文に明示がないため断定していません。本文の数値は、2025年の概報と2025年度時点の内容です。
出典:日本泌尿器科学会「専門医更新手続き」
参考文献
- 日本専門医機構「専門医制度概報 2025」(2025年). https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/gaiho_2025.pdf
- 日本泌尿器科学会「専門医更新手続き」. https://www.urol.or.jp/specialist/appli/procedure.html

太田 旭
株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。