【2026年版】小児科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、これから小児科専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、小児科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本小児科学会の告示と更新の手引きを読み解き、整理しています。

小児科専門医は、初期臨床研修を修了したあと、小児科の専門研修を3年受けて取得します。初期研修修了後で数えて最短3年、医師免許の取得からは最短5年です。

小児科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:初期研修修了後に専門研修を3年で、最短3年。研修中に症例要約を30編、小児科を分けた10分野群で各2編以上そろえる
  • 更新の条件:5年ごとに合計50単位。診療実績・共通講習・小児科領域講習・学術活動の区分で集め、診療実績は5年で100症例が基準
  • 小児科の要点:筆記試験だけでなく、診察の場面を評価するMini-CEXと、多職種が評価する360度評価を認定に組み込む

本記事では、小児科専門医の取得までの流れ、研修でまとめる症例要約と10分野群、受験と認定試験、更新・維持の条件を順に整理します。

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執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

小児科専門医の取得までの流れ(最短3年)

取得までの最短年数
初期臨床研修2年に加え専門研修3年で取得する

医師免許を取ったあと、初期臨床研修を2年受けます。この2年はどの科にも共通して別途必要です。そのうえで小児科の専門研修プログラムに進み、3年以上研修します。初期臨床研修を修了したあと、専門研修を3年受けて取得するため、取得までは初期研修修了後で数えて最短3年です。

研修は、次のように進みます。

  • 1〜3年目:研修プログラムのなかで、新生児から思春期まで幅広い年齢の症例を担当する
  • 研修と並行して:担当した症例を症例要約にまとめ、指導医の評価を受ける
  • 修了後:小児科専門医の認定試験を受ける

「3年以上」と幅があるのは、研修の進み方や施設の事情で3年に収まらない場合もあるためで、最短が3年です。

症例要約30編と10分野群という幅

小児科研修の中心になるのが症例要約です。症例要約とは、担当した子どもの症例の経過をまとめた文書を指します。修了までにこの症例要約を30編作成します。ただし30編をどう埋めてもよいわけではなく、次の条件が付きます。

  • 症例要約:30編
  • 分野群:小児科を10分野群に分け、各分野群で2編以上を確保する
  • ねらい:新生児から思春期まで、また感染症から神経や循環器まで、対象が偏らないようにする

この「10分野群で各2編以上」という条件が、小児科の幅広さを確保する仕組みになります。得意な領域の症例ばかりを30編そろえても要件を満たさず、幅広い分野を一通り経験して初めて修了に近づきます。

出典:日本小児科学会「小児科専門医制度 告示」(2025年)

受験資格と認定試験

認定にかかわる評価と試験
筆記と面接に診療場面の評価を組み込む

小児科では、筆記と面接に加えて、診療の場面そのものを評価に組み込みます。認定にかかわる評価と試験は、次のとおりです。

  • Mini-CEX:指導医が研修医の診察に立ち会い、問診の取り方や子どもへの接し方まで、その場で評価する方法
  • 360度評価:指導医だけでなく看護師などの多職種が、複数の立場から研修医を評価する方法
  • MCQ:選択式の筆記試験で、認定試験では140問を課す
  • 面接:総合的に判断する

Mini-CEXは、試験の点数だけでなく実際の診療の振る舞いを評価に含めるための方法です。360度評価では、医師の視点だけでは見えない、チームでの動き方や患者家族への接し方まで評価の対象に入ります。最終的な認定試験では、MCQ140問と面接を合わせ、筆記の知識と日常の診療の両面から判断します。Mini-CEXや360度評価の進め方は、施設やプログラムによって差があるとされ、ここでは制度上の位置づけを示すにとどめます。

出典:日本小児科学会「小児科専門医制度 告示」(2025年)

小児科専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位)

更新は5年ごと50単位
5年ごとに4区分で合計50単位を集める

小児科専門医は、取得して終わりではなく、5年ごとに更新します。更新の条件は、その5年間で合計50単位を満たすことです。

単位とは、更新のためにためるポイントのことです。講習の受講や経験した症例数、学会発表などに応じてたまります。この50単位は、次の区分をまたいで集めます。

  • 診療実績:10単位。5年間で100症例を診療した実績が基準になる
  • 共通講習:8〜10単位。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通で求められる講習
  • 小児科領域講習:20単位。小児科の学術集会や研修会など、専門分野の講習
  • 学術活動:0〜10単位。学会発表や論文など

5年で100症例という診療実績の基準は、小児科医として現場に立ち続けていることを更新の条件に据えています。症例要約の分野群の分け方や必要編数は、告示や制度の改定で変わることがあるため、更新や申請の年には最新年度の内容を確認してください。

出典:日本小児科学会「小児科専門医 更新の手引き 改訂3版」(2024年)

参考文献

  • 日本小児科学会「小児科専門医制度 告示」(2025年). https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/sen_5pro2025_kokuji%20.pdf.pdf
  • 日本小児科学会「小児科専門医 更新の手引き 改訂3版」(2024年). https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240412_kijun.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。