【2026年版】精神科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、これから精神科専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、精神科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本精神神経学会の一次資料を読み解き、整理しています。

精神科専門医は、初期臨床研修を修了したあと、精神科の専門研修を3年以上受けて取得します。初期研修修了後で数えて最短3年、医師免許の取得からは最短5年です。

精神科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:初期研修修了後に専門研修を3年以上で、最短3年。専門研修は週32時間以上の常勤勤務を3年続けることが条件
  • 更新の条件:5年ごとに合計40単位。多くの基本領域が50単位を求めるなかで、精神科だけが40単位に設定されている
  • 常勤要件:週32時間以上という勤務時間の下限が基準に明記され、患者と継続的に向き合う診療の性格が勤務形態の要件に表れている

本記事では、精神科専門医の取得までの流れ、研修施設と経験症例、受験と認定試験、更新・維持の条件、40単位という他科との違いを順に整理します。

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執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

精神科専門医の取得までの流れ(常勤3年で最短3年)

精神科専門医になるまでの流れは、初期臨床研修を2年終えたあと、精神科の専門研修に3年以上入り、研修を修了して認定試験に合格する、という順です。初期研修の2年はどの科にも共通で必要で、精神科ならではの研修はそのあとの3年です。取得までの年数を初期研修修了後で数えると、最短3年になります。

精神科の専門研修には、勤務形態の条件があります。

  • 勤務時間:週32時間以上の常勤勤務であること
  • 期間:この常勤勤務を3年以上続けること

常勤で週32時間以上という勤務時間の下限が基準に明記されている点が、精神科の要件のわかりやすい特徴です。患者と継続的に向き合う診療の性格が、勤務形態の要件として制度に定められています。取得までの年数は、常勤の勤務が続けられるかや連携施設の配置など個々の事情で、最短の3年より延びる場合があります。

出典:日本精神神経学会「精神科専門医制度 整備基準(第4版)」

研修施設と経験症例

研修先の構成にも決まりがあります。複数の施設で異なる患者層に触れる設計です。

研修施設と経験症例
複数施設で異なる患者層に触れる。統合失調症10例以上を経験
  • 基幹施設:連続6か月以上
  • 連携施設:少なくとも1か所で連続3か月以上
  • 経験症例:統合失調症10例以上など
  • 学会発表:第1演者として1回以上

経験症例の種類と数は整備基準第4版に基づきます。研修プログラムごとに運用が異なる部分があり、ここでは代表的な要件を挙げています。

出典:日本精神神経学会「精神科専門医制度 整備基準(第4版)」

受験資格と認定試験

精神科専門医の認定試験は、専門研修を修了する見込みで、経験症例や学会発表の要件を満たした人が受けられます。試験の出題数など細かい形式は、受験する年度の実施要項で確認してください。

精神科専門医の更新・維持の条件(5年ごと・40単位)

精神科専門医は、取得して終わりではなく、5年ごとに更新します。ここで他科と分かれるのが総単位数です。多くの基本領域が5年で50単位を求めるなかで、精神科は40単位です。

更新は5年ごと40単位
5年で40単位。担当2例の臨床経験レポート提出が必須

単位とは、更新のためにためるポイントのことです。講習の受講や経験した症例数、学会発表など、日々の医師の活動に応じてたまります。40単位の内訳は、次のとおりです。

  • 共通講習:8〜10単位。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通で求められる講習
  • 精神科領域講習:20単位以上。精神科の学術集会や研修会など、専門分野の講習で、更新単位の中心になる
  • 学術業績:0〜10単位。学会発表や論文など

診療実績の数え方も精神科は独特です。担当した2例について臨床経験レポートを提出することが必須で、症例の経過や治療方針を文章にまとめて示します。単位を積むだけでなく、自分が診た患者の診療を言語化して残す作業が更新の条件に組み込まれています。更新基準は2022年3月19日版に沿います。以降に改定があれば最新版が優先されます。

出典:日本精神神経学会「専門医更新基準」(2022年3月19日)

他科と異なり、更新の必要単位数は40単位

精神科の更新でいちばんの特徴が、更新の必要単位数が40単位であることです。多くの科が50単位を求めるなかで、精神科だけが40単位に設定されています。更新を迎える人は、集める単位の目標を50単位ではなく40単位で数えることになります。なぜ精神科だけ少ないのかは、参照した更新基準の本文では説明されていません。

出典:日本精神神経学会「専門医更新基準」(2022年3月19日)

精神科だけ40単位
多くの科が50単位のなか精神科のみ40単位。差は10単位

参考文献

  • 日本精神神経学会「精神科専門医制度 整備基準(第4版)」(2022年9月16日). https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/specialist/seibi_kijyun_20220916.pdf
  • 日本精神神経学会「専門医更新基準」(2022年3月19日). https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/specialist/koushinkijun_20220319.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。