【2026年版】リハビリテーション科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、これからリハビリテーション科専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、リハビリテーション科専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本専門医機構と日本リハビリテーション医学会の一次資料を読み解き、整理しています。

リハビリテーション科専門医は、初期臨床研修を修了したあと、リハビリテーション科の専門研修を3年受けて取得します。初期研修修了後で数えて最短3年、医師免許の取得からは最短5年です。ただし専門研修を修了してから認定審査を受ける流れのため、専門医に認定されるのは研修修了後になります。

リハビリテーション科専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:初期研修修了後に専門研修を3年で、最短3年。認定は研修を修了してからになる
  • 研修の症例:経験症例100例以上を、特定の領域に偏らせず9つの領域に配分する
  • 更新の条件:5年ごとに合計50単位。2027年度からは、全問正解が条件のeテストが加わる

本記事では、リハビリテーション科専門医の取得までの流れ、9領域に配分する経験症例、受験と認定試験、更新・維持の条件、2027年度から加わるeテストを順に整理します。

→ 関連記事:【2026年版】専門医は何年で取れる?診療科別に取得年数の目安と更新の条件をまとめてみた

執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

リハビリテーション科専門医の取得までの流れ(最短3年・認定は研修修了後)

リハビリテーション科専門医になるまでの流れは、初期臨床研修を2年終えたあと、リハビリテーション科の専門研修に3年入り、研修を修了して認定審査を受ける、という順です。初期研修の2年はどの科にも共通で必要で、リハビリテーション科ならではの研修はそのあとの3年です。取得までの年数を初期研修修了後で数えると、最短3年になります。

  • 1〜3年目:専門研修プログラムで、9領域にわたる症例を経験する
  • 修了後:専門医認定試験を受けて認定される

専門研修を修了してから認定審査を受ける流れのため、専門医に認定されるのは研修修了後になります。なお、「医師免許取得後5年以上」といった受験資格の年数条件は、今回参照した整備基準の本文では確認できませんでした。受験と認定の時期は年度で変わるため、最新の条件は学会サイトで確認してください。

出典:日本専門医機構「専門医制度整備基準」

9領域に配分する経験症例100例

リハビリテーション科の研修の中心は、経験症例の集め方にあります。

経験症例100例を9領域へ
100例以上を9領域に配分。対象の幅を保つ症例要件
  • 経験症例:100例以上。これを9つの領域に振り分ける
  • 症例報告:30例
  • 学会発表:2回以上

特定の領域に偏らせず、9領域にわたって配分するところが、リハビリテーション科の症例要件を他科と分けています。単純な総数ではなく、対象の幅を保ったうえで100例を求める設計です。なお、9領域の内訳は、今回参照した参考資料の本文では確認できませんでした。

出典:日本専門医機構「専門医制度整備基準」

受験資格と認定試験

リハビリテーション科専門医の試験は、学科試験と面接の二本立てです。

  • 学科試験:筆記で、知識を確かめる
  • 面接:口頭で、臨床の判断を確かめる

知識と臨床の判断の両方を確かめる構成です。なお、筆記の出題数は、今回参照した整備基準の本文では確認できませんでした。試験の細かい形式は、受験する年度の実施要項で確認してください。

リハビリテーション科専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位)

リハビリテーション科専門医は、取得して終わりではなく、5年ごとに更新します。更新の条件は、その5年間で合計50単位以上を取ることです。更新でも取得時と同じく、対象の幅が問われます。

更新は5年ごと50単位
5年で50単位。診療実績は100症例を3領域以上で記録

単位とは、更新のためにためるポイントのことです。講習の受講や経験した症例数、学会発表など、日々の医師の活動に応じてたまります。この50単位は、次の4つの区分をまたいで集めます。

  • 診療実績:10単位。5年で100症例を、しかも3領域以上にわたって記録する。取得のときと同様に、対象の幅を保つことが更新でも求められる
  • 共通講習:8〜10単位。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通で求められる講習
  • 領域講習:20単位以上。リハビリテーション医学の学術集会や研修会など、専門分野の講習で、更新単位の中心になる
  • 学術業績:4〜10単位。学会発表や論文など

これに加えて、勤務実態があることが条件です。専門医の資格だけを持って現場を離れている状態では更新できない、という趣旨です。更新基準は2024年2月16日改訂版に沿います。以降に改定があれば最新版が優先されます。

出典:日本リハビリテーション医学会「専門医制度更新基準」(2024年2月16日)

2027年度からeテストが加わる

リハビリテーション科の更新は、2027年度から新しい関門が加わります。

2027年度からeテスト
2027年度から全問正解が条件のeテストが更新に加わる
  • 名称:eテストと呼ぶオンラインの試験
  • 合格の条件:全問正解
  • 位置づけ:単位と勤務実態に加えて、更新の要件になる

一定の点数で合格とする形式ではなく、すべての問いに正解して初めて要件を満たします。なお、eテストの出題数や再受験の扱いは、今回参照した資料の本文では確認できませんでした。2027年度からの変更はこれから運用が始まるため、最終的な手順は施行時の学会案内で確認してください。自分の更新がこの年度にかかる場合は、早めに出題範囲を学会サイトで確認しておくと安心です。

出典:日本リハビリテーション医学会「専門医制度更新基準」(2024年2月16日)

参考文献

  • 日本専門医機構「専門医制度整備基準」. https://jmsb.or.jp/kenshu-dl/member_system_guideline201803-1.pdf
  • 日本リハビリテーション医学会「専門医制度更新基準」(2024年2月16日). https://www.jarm.or.jp/member/system/document/new_system/member_system_renew20240216.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。