【2026年版】臨床検査専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、これから臨床検査専門医の取得を目指す研修医と専攻医のために、臨床検査専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本臨床検査医学会の一次資料を読み解き、整理しています。

臨床検査専門医は、初期臨床研修を修了したあと、臨床検査の専門研修を3年フルタイムで受けて取得します。初期研修修了後で数えて最短3年、医師免許の取得からは最短5年です。

臨床検査専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 取得までの年数:初期研修修了後に専門研修を3年フルタイムで勤務した場合、最短3年で取得できる。研修中に報告書36通・異常値レポート30枚・RCPC9回などを積む
  • 更新の条件:5年ごとに合計50単位。2027年度からの更新には、eラーニング形式の確認試験が加わる
  • 研修の中心:RCPCという、検査データだけを手がかりに病態を推論する演習が9回課され、検査値から病態を読み解くところまで担う

本記事では、臨床検査専門医の取得までの流れ、研修で積む実績とRCPC、受験と認定試験、更新・維持の条件、2027年度からの更新試験を順に整理します。

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執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

臨床検査専門医の取得までの流れ(最短3年)

臨床検査専門医になるまでの流れは、初期臨床研修を2年終えたあと、臨床検査の専門研修に3年フルタイムで入り、研修を修了して受験する、という順です。初期研修の2年はどの科にも共通で必要で、臨床検査ならではの研修はそのあとの3年です。取得までの年数を初期研修修了後で数えると、最短3年になります。フルタイムとは、常勤で研修に専念する働き方を指します。

  • 1〜3年目:検査部門で報告書の作成や異常値の検知、RCPCなどに取り組む
  • 研修と並行して:担当した実績を登録し、指導医の評価を受ける
  • 修了後:臨床検査専門医試験を受ける

出典:日本臨床検査医学会「臨床検査専門医に関するQ&A(第3版)」

研修で積む実績とRCPC

臨床検査の研修で積む要件は、検査の解釈と実務の両方にまたがります。日本臨床検査医学会のQ&A第3版によれば、次の実績が求められます。

研修で積む主な実績
3年で積む主な実績。中心はRCPC9回で検査値から病態を推論
  • 報告書:36通以上。検査結果を臨床に返す文書
  • 異常値レポート:30枚。基準から外れた値を検知して臨床に知らせる作業
  • RCPC:9回。検査データだけを手がかりに病態を推論する演習
  • 超音波検査:5例
  • 学術業績:3編

数字だけを見ると他科より少なく映りますが、1件あたりに求められる解釈の深さが臨床検査専門医の特徴です。

このうち研修の中心にあるのがRCPCです。RCPCは、Reversed Clinico-Pathological Conference の略で、検査データだけを手がかりに病態を推論する演習です。臨床から検体を受け取って診断を返すのではなく、検査値の並びから患者に何が起きているかを読み解きます。検査値の推移から鑑別を組み立てる訓練を繰り返し、検査値から病態を判断できる医師を育てる設計とみられます。検査を出して終わりにせず、検査値から病態を読み解くところまで担う訓練です。

なお、RCPCの回数や報告書の通数はQ&A第3版に沿いますが、研修プログラムによって数え方や上乗せ条件が異なる場合があります。

出典:日本臨床検査医学会「臨床検査専門医に関するQ&A(第3版)」

受験資格と認定試験

臨床検査専門医試験は、専門研修を修了する見込みで、報告書やRCPCなどの実績要件を満たした人が受けられます。試験の出題数など細かい形式は、受験する年度の実施要項で確認してください。

臨床検査専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位)

臨床検査専門医は、取得して終わりではなく、5年ごとに更新します。更新の条件は、その5年間で合計50単位以上を取ることです。

更新は5年ごと50単位
5年で50単位。4区分をまたいで集める

単位とは、更新のためにためるポイントのことです。講習の受講や経験した症例数、学会発表など、日々の医師の活動に応じてたまります。この50単位は、次の4つの区分をまたいで集めます。

  • 診療実績:5〜10単位。診断報告書や検査部門管理記録、コンサルテーション記録を計25件提出すると、5単位が自動的に付く
  • 共通講習:8〜10単位。医療安全や感染対策、医療倫理など、どの科の専門医にも共通で求められる講習
  • 領域講習:20単位以上。臨床検査の学術集会や研修会など、専門分野の講習で、更新単位の中心になる
  • 学術業績:0〜15単位。学会発表や論文など

更新の単位内訳は、以降に改定があれば最新版が優先されます。

出典:日本臨床検査医学会「2027年度からの専門医更新基準」(2023年7月21日)

更新に試験が加わる(2027年度から)

臨床検査で近年加わった変更が、更新に試験を組み込む点です。

2027年度から更新試験
2027年度からeラーニングの確認試験が更新に加わる
  • 適用時期:2027年4月1日付の更新から
  • 形式:eラーニング形式の確認試験
  • 位置づけ:従来の講習受講と実績の積み上げに、知識の確認が加わる

eラーニングにした狙いは、受験のために現場を長く離れずに済ませることだとみられます。臨床検査は検査技術も基準値の考え方も更新が続く領域で、資格を持ち続ける医師の知識を一定の水準に保つ仕組みとして加わります。ただし、出題範囲や合格の扱いなど運用の細部は、施行時期に近い告知で確定する部分があります。これから受験や更新を迎える人は、2027年度以降に自分へどの版が適用されるかを確かめておくと安心です。

出典:日本臨床検査医学会「2027年度からの専門医更新基準」(2023年7月21日)

参考文献

  • 日本臨床検査医学会「臨床検査専門医に関するQ&A(第3版)」. https://www.jslm.org/recognition/physician/Q&Aver3.pdf
  • 日本臨床検査医学会「2027年度からの専門医更新基準」(2023年7月21日). https://www.jslm.org/recognition/physician/2027_20230721.pdf
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。