【2026年版】リウマチ専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

本記事では、医学部に在籍する筆者が、内科の専門研修と並行して、あるいはそのあとに膠原病とリウマチを専門にしようと考えている専攻医と研修医のために、リウマチ専門医の取得までの年数と、取得後の更新・維持の条件について、日本専門医機構の一次資料を読み解き、整理しています。

以下の数値は、断りのない限り、日本専門医機構がまとめた「日本専門医制度概報 令和7年度版」によります。リウマチ専門医には、日本専門医機構が認定する機構認定専門医と、日本リウマチ学会が認定する学会認定専門医の2つがあり、この資料は申請資格を別々に載せています。機構認定専門医は内科専門医が前提で、専門研修基幹施設と専門研修連携施設を合わせた研修施設で3年以上の研修が要ります。この研修は内科の専門研修の2年目から重ねて始められるため、初期臨床研修の2年、内科の専門研修の1年目、そのあとに続く3年を数えると、年数の条件が揃うのは早くて卒後6年を終えるころです。これは条件が揃う時期であって、資格を取得する時期ではありません。

学会認定専門医のほうは、基本領域学会の認定医または専門医が前提で、3年以上続く会員歴と、学会が認定した教育施設での通算3年以上の研修、30単位以上が要ります。基本領域学会とは、基本領域ごとに日本専門医機構が認めた担当の学会です。認定医とは、専門医とは別に基本領域学会が設けている資格で、取得条件と専門医との違いはこの資料に載っていません。単位とは、研修に参加すると与えられるポイントです。

この資料は一覧で資格名を「リウマチ専門医」、詳細のページで領域名を「膠原病・リウマチ内科領域」と書いており、本記事もこれにならいます。疾患のまとまりも、機構認定側は「膠原病・リウマチ内科領域疾患」、学会認定と更新の側は「リウマチ性疾患」と書き分けられています。2つの範囲がどう違うかはこの資料に載っていないため、本記事もこの書き分けを残します。

リウマチ専門医で押さえておくべき点は、次の3つです。

  • 2つの資格が並んでいる:機構認定専門医は内科専門医が前提で、研修施設で3年以上の研修が要ります。学会認定専門医は基本領域学会の認定医または専門医が前提で、3年以上続く会員歴と、学会が認定した教育施設での通算3年以上の研修、30単位以上が要ります
  • 年数:機構認定専門医の場合、膠原病・リウマチ内科領域の研修は内科の専門研修の2年目から重ねて始められます。初期臨床研修の2年、内科の専門研修の1年目、そのあとに続く3年を数えると、年数の条件が揃うのは早くて卒後6年を終えるころです。これは条件が揃う時期であって、資格を取得する時期ではありません
  • 更新:5年ごとの更新では、50単位以上に加えて、リウマチ性疾患20症例以上の診療実績を症例報告書で提出します

→ 関連記事:【2026年版】内科専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

→ 関連記事:【2026年版】サブスペシャルティとは?31領域の一覧と、専門医の取得年数・更新条件をまとめてみた

執筆者プロフィール

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営しつつ、LP制作、Google広告運用、SNS運用代行など、クリニック・歯科医院を中心としたマーケティング支援に従事しています。

機構認定専門医と学会認定専門医の申請資格と、取得までの年数

機構認定専門医の研修先は専門研修基幹施設と専門研修連携施設に分かれ、本記事では2つをまとめて研修施設と書きます。資料によると、基幹施設は専攻医を募集して研修修了証明書を発行する側で、連携施設だけでは募集できません。学会認定専門医の研修先は教育施設と呼ばれます。

機構認定専門医の申請資格は5項目です。

  • 日本の医師免許を持ち、医師として人格および見識を備えていること
  • 日本リウマチ学会の会員であること
  • 研修施設において3年以上の研修を行うこと
  • 基幹施設が発行する研修修了証明書が発行されていること
  • 内科専門医の資格を持っていること

学会認定専門医の申請資格も5項目です。

  • 日本の医師免許を持ち、医師として人格および見識を備えていること
  • 申請時に引き続き3年以上、日本リウマチ学会の会員であること
  • 学会が認定した教育施設で、通算3年以上のリウマチ学の臨床研修を行ったこと
  • 日本リウマチ学会が定める単位を30単位以上取得していること
  • 基本領域学会の認定医あるいは専門医の資格を持っていること

違いを補います。前提になる資格は、機構認定専門医が内科専門医に限られる一方、学会認定専門医は「基本領域学会の認定医あるいは専門医」とだけ書かれ、どの基本領域から申請できるかは資料にありません。研修年数はどちらも3年以上ですが、学会認定専門医の「通算3年以上」は合計で3年になればよいと読め、機構認定専門医の3年が続けてでなければならないかは載っていません。会員歴3年以上と30単位は学会認定専門医だけの条件で、どの研修に何単位が付くかも載っていません。

年数の条件がはっきり書かれているのは機構認定専門医のほうで、順番は次のとおりです。

  • 初期臨床研修を2年終える
  • 内科の専門研修に入り、その2年目から膠原病・リウマチ内科領域の研修を始める
  • 研修施設で3年以上の研修を行う。このうち少なくとも1年は基幹施設で研修する
  • 認定試験に合格する

資料は、この3年以上を指導医のもとで行うことを求めています。指導医とは、専攻医の研修を指導し、経験した症例を評価して承認する医師です。基本領域の専門研修とサブスペシャルティ領域の研修を重ねて進める方式を連動研修と呼び、資料はこの領域を連動研修を行える領域に挙げています。

内科の専門研修が何年かを直接書いた記述は資料にありません。ただし資料は内科専門研修の到達目標を専門研修1年、専門研修2年、専門研修3年の3段階で示しているため、本記事は3年として数えます。内科の専門研修が4年なら、内科専門医の認定を受ける時期が1年後ろにずれます。卒後3年目に内科の専門研修を始めると、その2年目の卒後4年目から3年で、終わるのは卒後6年目です。ただしこれは年数の条件が揃う時期で、資格を取得する時期ではありません。申請の時点で内科専門医の資格が要り、その認定がいつ下りるかも、リウマチ専門医の認定試験がいつ行われるかも資料に載っていません。

学会認定専門医のほうは、教育施設での通算3年以上のリウマチ学の臨床研修が条件です。この3年を基本領域の専門研修と重ねられるか、この研修が機構認定側の研修と同じものかは、資料に載っていません。重ねられない場合、内科を基盤にすると初期臨床研修2年、内科の専門研修3年、リウマチ学の臨床研修3年で卒後8年を終えるころ、重ねられるなら重なった年数だけ早くなります。内科以外を基盤にする場合は年数が変わり、認定医を前提に申請する場合は、認定医の取得条件が資料にないため数えられません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

研修の到達目標と記録

資料が到達目標と記録の作り方を書いているのは機構認定専門医のほうで、到達目標は専門知識に4項目、専門技能に4項目です。内科のサブスペシャルティ領域でありながら、膠原病・リウマチ内科領域疾患に対する整形外科的治療を理解し患者に説明できること、治療に必要な整形外科的手術・処置技術を説明できることが入っている理由は、資料に書かれていません。

研修で経験した症例は、リウマチ版J-OSLERを使って登録します。J-OSLERは、担当した症例を一つずつオンラインに登録し、指導医の評価と承認を受けながら目標達成までの段階を示す記録システムで、内科専門研修と同じ仕組みです。登録すべき症例数や疾患数は資料に載っていません。症例の登録に限っては、内科の専門研修1年目の症例も認められると資料は書いていますが、1年目が3年の研修年数に数えられるとは書かれていません。

代表的な症例については、2種類の記録を作ります。専攻医が主治医または直接診療に携わった入院症例を詳しく記載する入院症例記録と、外来で管理している症例の概要を記載する外来症例報告です。学会認定専門医のほうについて、資料は経験すべき治療症例の細目を載せていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

認定試験の形式と合格基準、合格率は83.1%から86.0%

資料は受験の資格と申請の資格を分けておらず、申請資格のほかに受験の条件があるかは分かりません。試験・合格率・更新の欄も2つの資格に分けて書かれておらず、この3つが資格で違うのかは読み取れません。資料の試験の欄にあるのは、試験の前に審査があること、試験は多肢選択式で全100問であること、合格基準は筆記試験のほか診療の実績や業績なども含めた総合評価であることの3点です。試験の前の審査で何を審査するのか、筆記試験の比重、合格ライン、受験料は載っていません。

どれくらい通っているかも見ておきます。資料が載せているのは、次の3年度分です。

  • 令和4年度(2022年度):受験者142人、合格者118人、合格率83.1%
  • 令和5年度(2023年度):受験者166人、合格者139人、合格率83.7%
  • 令和6年度(2024年度):受験者143人、合格者123人、合格率86.0%

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

リウマチ専門医の更新・維持の条件(5年ごと・50単位と20症例)

リウマチ専門医は5年ごとに更新し、条件は次の2つです。

  • 診療実績:更新時に、リウマチ性疾患20症例以上の診療実績を、学会が定めた様式の症例報告書で提出する。この20症例には、関節リウマチまたは若年性特発性関節炎を10症例以上含める
  • 研修単位:5年間で合計50単位以上を取得する。必修研修項目、つまり必ず取らなければならない研修については、決められた単位数を取る

この症例報告書が研修中の記録と同じ書式かは、資料に載っていません。必修研修項目として資料が挙げているのは2つです。

  • 日本リウマチ学会学術集会:1回につき10単位。必修研修項目として10単位以上
  • 日本リウマチ学会と、基本領域学会である日本内科学会や日本整形外科学会などが主催または認定した、医療安全・医療事故・医事法制・医療倫理に関する教育研修会や講演会への出席:1時間につき1単位。必修研修項目として1単位以上。医師会が主催する講演会と、学会の教育施設が主催する講演会も含む

50単位のうち、必ず取ると資料に書かれているのは、学術集会の10単位と教育研修会などの1単位を合わせた11単位で、残る39単位をどの研修で埋めるかは載っていません。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

専門医数と研修施設

リウマチ専門医の人数は、資料の一覧の学会認定専門医数の列に令和6年(2024年)8月現在で5,237人と載っています。機構認定専門医数の列は「――」です。合格者がどちらの資格として数えられているかは、資料に書かれていません。

研修施設の数は、機構認定専門医の研修先が専門研修基幹施設260と専門研修連携施設442、学会認定専門医の研修先が教育施設604です。基幹と連携を足すと702施設ですが、教育施設の604は別の数え方で、基幹施設の条件にリウマチ学会が認定した教育施設であることが挙がっているため、702と604は足せません。

専門研修基幹施設の条件は5項目です。

  • リウマチ学会が認定した教育施設であること
  • 膠原病・リウマチ内科領域疾患が年間100症例以上あること。関節リウマチを30症例以上含む
  • 研修環境が総合的に整備されていること。初期臨床研修を行う病院として指定されていることが望ましい
  • 指導医が常勤で1名以上勤務していること
  • 研修管理委員会と、膠原病・リウマチ内科領域専門研修責任者を置くこと

専門研修連携施設の条件も5項目です。

  • 総合病院またはこれに準ずる病院、あるいは膠原病・リウマチ内科領域疾患の専門病院であること
  • 膠原病・リウマチ内科領域疾患が年間50症例以上あること。関節リウマチを15症例以上含む
  • 研修環境が総合的に整備されていること。初期臨床研修を行う病院として指定されていることが望ましいが、地域性を考えて必須とはしない
  • 指導医が1名以上勤務していること。指導医1名は、月2回以上勤務する非常勤を含めることができる
  • 研修管理委員会と、膠原病・リウマチ内科領域専門研修責任者を置くこと

学会認定専門医のための教育施設の条件も5項目で、総合病院かこれに準ずる病院またはリウマチ専門病院であること、リウマチ性疾患が年間100症例以上あり関節リウマチを30症例以上含むこと、研修環境が総合的に整備されていること、指導医が1名以上または専門医が2名以上勤務していること、教育が定期的に行われていることです。

教育施設の条件にある専門医がどちらの資格を指すか、研修管理委員会と専門研修責任者の役割も、資料に書かれていません。

→ 関連記事:【2026年版】専門医は何年で取れる?診療科別に取得年数の目安と更新の条件をまとめてみた

→ 関連記事:【2026年版】腎臓専門医の取得に何年かかる?更新・維持の条件も解説

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

まとめ|リウマチ専門医を目指すなら先に決めること

  • 資格の選択:機構認定専門医は内科専門医が前提、学会認定専門医は基本領域学会の認定医または専門医が前提です。学会認定専門医がどの基本領域から申請できるかは、資料に書かれていません
  • 年数:機構認定専門医は、内科の専門研修の2年目から3年以上を積み、そのうち1年以上は基幹施設で研修します。早くて卒後6年を終えるころに条件が揃います。学会認定専門医は教育施設での通算3年以上で、内科を基盤に重ねられず内科の専門研修を3年として数えると卒後8年を終えるころです。認定はそのあとで、試験日と認定日は載っていません
  • 記録:資料が書いているのは機構認定専門医についてで、症例はリウマチ版J-OSLERに登録し、代表例は入院症例記録と外来症例報告として残します。学会認定専門医が経験すべき治療症例の細目は載っていません
  • 試験と合格率:多肢選択式100問のほか、診療の実績や業績も含めた総合評価で決まります。令和4年度から令和6年度の合格率は83.1%、83.7%、86.0%です
  • 更新:5年ごとに50単位以上と、リウマチ性疾患20症例以上の症例報告書が要り、20症例には関節リウマチか若年性特発性関節炎を10症例以上含めます
  • 専門医数と研修先:資料が学会認定専門医数として載せているのは令和6年8月現在の5,237人、基幹施設は260、連携施設は442、教育施設は604です

30単位の内訳、更新に必要な残り39単位の内訳、リウマチ版J-OSLERに登録する症例数は、いずれもこの資料に記載がありません。日本リウマチ学会の資料で確認してください。

出典:日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」

参考文献

  • 日本専門医機構「日本専門医制度概報 令和7年度版」. https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2026/03/gaiho_2025.pdf
  • 日本リウマチ学会. https://www.ryumachi-jp.com/
この記事の監修者

太田 旭

株式会社eggside 代表取締役。医学生。
自由診療のための医師向けメディア「doctorside」を運営したり、クリニック集患支援を行っている。